二人の男が車で通り掛ると前方で女性が二人、路上で話しこんでいた。
狭い路地で通り難い状況だったが彼女たちは意に介せず話し続けている。
「俺がちょっと注意してくるよ。」
そういうと片方の男が車を降りて女性たちの方に歩いて行った。
しかし、彼は途中で何かに気付いて慌てて戻ってきた。
「まずいよ。
あれは俺の妻だった。
しかも、一緒にいるのはどういう訳か俺の愛人だ。
悪いが君が言ってきてくれないか。」
仕方なくもうひとりの男が彼女たちに注意しに行った。
しかし、彼もまた慌てて戻ってきてこう言った。
「いやあ、世間は狭いもんだな。」