ある男が病気になって入院し、長く昏睡状態が続いた。
しかし、その男の妻は献身的に彼のベッドの側に寄り添い、毎日彼の看病をした。
やがて病状も回復してきたある日、目を覚ました彼が妻を呼んで言った。
「おまえはどんな状況の時もずっと俺の側に居てくれたな。」
妻は目に涙を浮かべてうなずいた。
「俺がクビになった時もおまえは居てくれた。
俺の仕事がうまく行かなくなった時も、俺が撃たれてしまった時も。
家を失ってしまった時も。
そして、俺の健康が悪くなってしまった今もおまえは未だに側に居てくれる。
なあ、おまえ・・・」
「なあに?あなた。」
妻は男の手を握りながら優しく顔を覗き込んだ。
「おまえは疫病神だと思うんだ。」