休憩時間に校庭でサッカーゲームを楽しんでいる生徒の中で、一人だけポツンと離れて立っている男の子がいることに気付いた。
私はその男の子に近づくと「君、大丈夫かい?」と声をかけた。
男の子は
「大丈夫だよ」と答えた。
しばらくしてから校庭をながめると、さっきの少年はやはり同じ場所で一人だけポツンとしていた。
再び彼に近づき
「僕は君と友達になりたいんだよ、」と声をかけた。
男の子は少し困った顔で私を見つめながら
「いいけど。」と答えた。
少し心を開いてきたかな、と思った私は
「どうして君はここにひとりぽっちで立っているんだい?
皆と一緒にボールを蹴ってみないかい?」
「あのねぇ。」
少年が答えた。
「おぢさん、もう分かったからあっちに行っててよ。
僕はゴールキーパーなんだよ!」